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今回は「共通テスト難易度!簡単ではない!そう判断できる5つの根拠!!」ということを解説していきます。
2021年度大学入試から始まった共通テストですが、世間では「意外と簡単」「センター試験より楽」「難化と言われていたのに拍子抜け」と言われています。
しかし!
共通テストは簡単と判断できない理由があるのです!油断しないようにして下さい!
・共通テストって簡単じゃね?
・センター試験と変わらないじゃん!
・これから難しくなることはあるの?
こんな疑問や要望にお応えします!まだまだ、共通テストは始まったばかり!初年度は簡単だったかもしれないけれど、今後の動向の予測を詳しく解説します!
それではさっそくいってみましょう!
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【共通テスト難易度】簡単と判断はできない、これだけの理由!
では「共通テストの難易度!簡単とは判断できない理由」について解説していきます。
2021年度共通テストの平均点は、その前の年のセンター試験よりも高く、難化したとは言い難い結果でした。
しかし、これからも共通テストは続きます。今後の動向の予測をしつつ、すぐに簡単とは判断できない理由をしっかり述べていきます。
まずは「簡単とは判断できない理由」をまとめました。
共通テスト難易度をすぐに判断できない理由!
①センター試験の平均点の推移
②2021年度共通テスト元年の平均点
③本来は正答率50%の問題を作成する方針
④コロナの影響で難問が避けられた
⑤思考力・判断力を伴った問題は少なかった
この5つですね。こうした背景から、共通テストの今後の難易度の予測をしていきます。
では、1つ1つ詳細を書いていきます。
センター試験の平均点の推移(難易度の変化)
まずは、センター試験の平均点の推移から解説します。
「共通テスト」の前身は「センター試験」でした。センター試験が始まったのは1990年から。初年度のセンター試験の難易度はどうだったのか?そして、その後の推移はどのような平均点や難易度をたどっていったのでしょうか?
センター試験の初年度から3年間の平均点の推移をみていきましょう!
※センター試験の初年度から数年は、現在の科目選択とは異なっています。現在の科目選択と同一にして比較しやすくしてあります。
・文系:英語、国語、数学Ⅰ、数学Ⅱ、化学、日本史、現代社会の合計
・理系:英語、国語、数学Ⅰ、数学Ⅱ、化学、物理、地理の合計
どうでしょうか?センター試験が始まった1990年の初年度の難易度は、かなり簡単だったことがわかります。
初年度の1990年は文系が得点率67.7%、理系が得点率68.4%でした。
しかし、3年後の1992年は文系が得点率59.2%、理系が得点率59.1%となり、最初に比べれば難化したことがわかります。
センター試験は60%前後の得点率になるように作問するように基準が設けられていたことを考えれば、難しくなった!というよりも、ようやく意図する得点率になった!ということなんですね。
2021年度共通テスト(初年度)の平均点
共通テストの初年度平均点が「文系平均:552点(61.3%)」「理系平均:572点(63.5%)」となっています。(1/22発表)
ここから共通テストの平均点が大きく変わることはないでしょう。
とするならば、先ほどのセンター試験の初年度からの平均点の下がり方を当てはめてみると、驚くほど難易度が上がっていくことがわかります。
・センター試験初年度→3年後(得点率約10%減)
・共通テスト初年度→3年後も同じように下がると・・・
2023年の共通テスト平均点の予測
★文系平均:461点(51.3%)
★理系平均:481点(53.5%)
と、得点率が50%強となる「高難易度の試験」になってしまうのですね。
ちなみに、センター試験で最難年と言われているのは2013年です。その時のセンター試験の平均点ですら、509点~515点(選択科目により異なる)です。
そうなると、460点~480点となると予測する2023年度共通テストは、鬼ムズ!ということが言えるでしょう!
共通テストは正答率50%の問題を作成する方針
さて、話を共通テスト本来の作問に戻しましょう。
本来、共通テストは正答率を50%程度にする、という方針の下で作問されていく予定でした。初年度の2021年は、予想外に受験生が共通テストに対応してきて得点をとってしまった気がします。
試行調査では、ズタボロにやられた結果、調整をかけてきたものと思われます。試行調査の得点率は以下の通りです。
得点率が50%以下のところを赤色で数字を塗りました。
数学がヤバいことがわかると思います。数学ⅠAは25%ですよ!また、理科の物化生地も軒並み50%を切っています。国語も低いですね。
このように、試行調査ではもっともっと難しい共通テストの問題を用意しようとしていたわけです。
コロナ休校で難問が避けられた?
続いては「コロナ休校で難問が避けられた」可能性がある!ということです。
緊急事態宣言が出されて学校が一斉休校になり、家庭学習を余儀なくされた受験生が受けたテストが、2021年の共通テスト初年度になるわけです。
文部科学省が各大学に発信した内容には、次のようなことが告げられていました。
・発展的な内容を出題する場合は、未修を考慮し、注釈をつけること
・そもそも発展的な内容を出題しない作問をすること
・科目の猶予を求め、例えば物理を物理基礎でも受験可能にすること
こうした内容が盛り込まれました。
とすると、共通テストは文科省の配下ですので、形式は変わっても難しい出題をできるわけもありませんね。つまり、意図的に簡単な内容の出題にした可能性は十分にあります。
思考力・判断力を伴った問題は少なかった
最後の共通テストが簡単だったと判断できない理由として、「思考力・判断力を伴った問題は少なかった」ということです。
学力の3要素の1つとして「思考力・表現力・判断力」を多面的、総合的に評価する!と大々的に謳ってきました。
しかしながら、共通テスト初年度の問題を見てみると「思考力・表現力・判断力」を伴う問題が少なかった気がします。それどころか、知識や技能を持たずとも解けてしまうような問題が散見された気がするのです。
つまり、内容を読み取って今まで培った知識を組み合わせ思考する問題、というか、感覚でもできてしまうような設問があった!ということなんですね。
これも初年度ならではのこと。ものは試し。習わずとも解ける問題は、その科目を履修する意味を持たなくなります。共通テストの最大の失態だと感じます。
来年度以降は、そういった問題はなくなるでしょう!
【共通テストの難易度】土台は変わらず「正答率50%」
では、共通テストの難易度は一体、どうなっていくのでしょうか?
それは、これまでも書いてきた通りです。
共通テストの難易度
・正答率50%前後、つまり450点/900点!
これが、やっぱり文部科学省も大学入試センターも、本来目指したい得点率なのではないでしょうか。
日本の学力が極めて海外と比べると高い水準にあるにも関わらず、それが生産性やGDPに還元されないことを打破するためには、国をあげて優秀な人材をつくっていくことを目指したいでしょう。
そのために「国語の記述式の導入」「数学の記述式の導入」「英語外部試験の導入」を是が非でも、国は取り入れていきたいと考えているはず。
今の共通テストの実施の仕方では、これまでのセンター試験に毛が生えた程度しか変化していないので、世間からは冷めた目で見られていくことは間違いないです。
2025年からは、また学習指導要領の変化に伴い、大学入試における教育改革が行われる予定です。そこまでに、共通テストの位置づけを確固たるものにしていくに違いないです。
ですから、共通テストの問題は難しくなくてはならない!と判断できるのですね。
【共通テスト難易度】簡単ではない!そう判断できる5つの根拠! まとめ
いかがでしたでしょうか?
共通テストの難易度!簡単とは判断できない、これだけの理由!についてまとめてきました。
共通テストの難易度が、初年度が簡単だった根拠や例、そして今後難しくなっていくであろう予測を解説してきました。
これは、あくまで個人の予測に過ぎませんが、当たらずとも遠からずということでしょうか。
共通テスト初年度はまさかのセンター試験より簡単!ということが平均点から示されてしまいましたので、これが世の中に浸透していくとまずいよ!という危機感を持ってくれたら幸いです。
最後までご覧いただきましてありがとうございました!他にも色々な大学受験関連の記事を書いていますので、リンク先の記事で興味があれば、ぜひご覧ください!