予備校で講師&学習アドバイザーをしている冒険者です。教育系ブロガーとして冒険者ブログを運営しています。
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今回は大学受験でも「共通テストにおけるボーダーライン」についての記事を解説していきます。
2021年度からセンター試験から共通テストに変わり、その試験の内容も難易度も変わりました。そして、国公立大学のボーダーラインもそれによって変わってきます。
では、センター試験から共通テストに変わって国公立大学のボーダーラインはどのように変化したのでしょうか?
・共通テストのボーダーラインってどうなるの?
・最新の共通テストの情報を知りたい!
・共テってセンター試験より難しい?
こんなところの解説をしていきます!受験生はもちろん、その保護者や高1生や高2生にも役立つ内容になっています。
ぜひ、最後までご覧ください!
※最新の2023年度の共通テストボーダーラインの記事は、下のリンクよりお進みください!
2023年度の共通テスト最新ボーダーラインはコチラから!
【大学受験】共通テストのボーダーラインから見る出願戦略
それでは共通テストにおける国公立大や共通テスト利用の私立大学についての変化を解説していきます。
※この記事は共通テスト実施前の記事になります。最新の2023年度の共通テストボーダーラインの記事は以下にリンクしてありますので、コチラをご覧ください!
2023年度の共通テスト最新ボーダーラインはコチラから!
共通テスト センター試験よりボーダーは下がります
まず、共通テストに変わることでのボーダーラインの変化は以下の通りです。
国公立大や私立大の共通テストのボーダー
・センター試験より3%~5%程度下がります!
これが結論です。
つまり、共通テストの方がセンター試験より難しくなるわけです。国公立大学のボーダーラインはそれによって、下がってきています。
ここでセンター試験と共通テストのボーダーラインの下がり幅についての特徴を一言で表すと、以下のような特徴が見えてきました。
ボーダーラインの特徴
・難関大学ほど下がらず、地方国公立や中堅以下の私大ほど下がっている!
これが特徴です。
例えば・・・
一橋大学法学部前期試験
センターボーダー:87%
共通テストボーダー:83%(マイナス4%)
※河合塾の全統模試のボーダーライン
静岡大学人文学部法学科前期試験
センターボーダーライン:71%
共通テストボーダー:66%(マイナス5%)
こんな感じですね。
つまり、センター試験から共通テストに変わって難しくなったとは言えども、上位から難関を目指す人にとっては、そのような変化は微々たる変化で「結局、2次試験勝負!」という図式は変わらないわけです。
大学独自で出題する問題に、どれだけ対応できるかが合否の決め手になるのは変わっていません。
あまり「変わったから対策を!」みたいに焦らなくても良いというわけですね。
各大学のボーダーラインを見る
>>河合塾ケイネット
>>ベネッセ「マナビジョン」
共通テスト英語 リーディングとリスニングの比率
ちょっと気をつけてもらいたい科目について解説します。それは英語です。
共通テストに変わってから、一番変わった科目は何かというと英語になります。それは出題傾向もそうですが、一番変わったのは「リーディングとリスニングの配点比率」です。
簡単に言うと「リスニング重視になったぞ!」ということです。
これまでのセンター試験においては「R:L=4:1」となっていました。これを「R:L=1:1」にしていこう、というのが共通テストです。
リスニングにおける比率が高まったことで、受験生が取るべき対策の仕方も変化していかなければなりません。
しかし!実は、すべての国公立大学が「R:L=1:1」ではないのです!
R:L=4:1の大学
釧路公立、公立はこだて未来、青森県立保健、宮城、国際教養、福島、茨城、筑波、群馬、群馬県立県民健康科学、千葉、神奈川県立保健福祉、新潟、公立小松、信州、愛知教育、名古屋市立、京都教育、京都工芸繊維、神戸、神戸市外国語、神戸市看護、奈良教育、奈良女子、鳥取、島根、岡山、広島市立、山口、徳島、香川、香川県立保健医療、長崎、熊本
R:L=3:1の大学
北見工業、東北、宇都宮、電気通信、東京医科歯科、新潟県立、新潟県立看護、石川県立看護、福井、岐阜、静岡、浜松医科、名古屋、京都、大阪、大阪市立
と言う感じで、大学ごとにリーディングとリスニングの比率を変えてきているところがあります。
自分が志望している大学の比率がどうなのかは、必ず募集要項を確認してください!
【共通テスト】新入試の問題の特徴
それでは次に、共通テスト導入における新入試の特徴について解説していきます。
恐らく、気にしている保護者や生徒も多い項目ですが、ここでは一般論をまとめていきますので、自分が志望し受験する大学は必ず募集要項を確認してください!
共通テスト 英検は受けなくても良い
2019年末ごろまでは「英語外部試験」についての導入を検討していた文部科学省でしたが、方向転換をして先送りが決定しました。
そうすると「英検やGTEC」などの外部試験の導入自体どうなるのか、気になりますよね?
結論を言います。
2021年度入試における英語外部試験
・受験したら有利に働くことがあるが、基本的に受けなくて良い
これが結論です。
もともと英語外部試験は全員受験が基本でしたが「地域間の格差」や「英検、GTEC、TEAP」といった方向性の違う外部試験を同一基準で比較する難しさから導入を見送ったのです。
めちゃくちゃ簡単に言うと「みんな平等に、公平に受けられていないものを大学の合否には使えないよね!」と決まったわけです。
ですから、そんなに2021年度以降の入試において英検重視に考えなくても良くて、大学の募集要項を見ても「英検は参考程度」「加点しても1500点中20点程度」といった、あったに越したことはないが、無くたってハンデにはならない!ということになった訳です。
ですから、高校で行っているGTECのスコアがあればとりあえず事足りるので、あえて資格検定試験は受けなくていいわけです。
共通テスト 平均評定は最低限で良い
さらに共通テスト導入から言われていることで「ポートフォリオ」の充実、ということが挙げられます。
つまり、内申点や学校の活動、平均評定や出欠席の日数といった項目、もしくは個人のスキルを記述するようなことが挙げられています。
これは大学がどう判断するか、と言ったことになりますが、正直に言います。
ポートフォリオは合否に関係するか?
・若干の点数は加点されるが、合否を左右するほどのものにはならない!
これが結論です。
つまり、学校のテストや学校外での活動、部活の成績などは、大学受験においては加点になる大学もあるが、合格や不合格といった決定的な資料にはならないのです!
つまり「推薦入試を考えている」といった特例以外は、まったく考えなくてもいいということなんですね!
共通テスト 新入試の私立大学の変更点
さて、ここまでは共通テストにおけるボーダーラインや英語の配点について解説してきました。
ここからは少し具体的に私立大学の内容を見ていきます。
ここに載せてある大学がすべてではありません。一部の大学を紹介しているだけです。受験するときには必ず募集要項をご確認ください!
青山学院大学 変更点
共通テストを必須とすることを決めた学部があります。
つまり、共通テストを受けて、その結果を踏まえて個別試験に加点する仕組みを入試方式に組み込んだ形です。
また、英語外部試験利用方式を充実する方向です。
例えば「国際政治学部の国際コミュニケーション学科」では・・・
青山学院大学国際政治経済学部A方式
・大学入学共通テスト:外・国必須、数・地歴・公から選択
・学部独自試験:総合問題(英語と社会(17世紀以降の世界史・日本史または政経)の要素を含む文章・図表を題材とした総合問題)
という風に、工夫をしてきているのがわかりますね。
早稲田大学 変更点
では、早稲田大学の変更点も見ていきましょう。
早稲田大学の主な変更点
・政治経済、国際教養、スポーツ科学部では「大学入学共通テスト」を必須化
・文、文化構想、国際教養、商学部は従来の「センターのみ方式」を廃止 ØWeb出願時に「主体性」「多様性」「協働性」に関する経験の記入が必須
このようになっています。つまり、私立大学にも共通テスト併用が広がっています。
人気の私立大学が共通テストを併用することを決めてくると、ドンドン全国の私立大学も共通テストの併用を必要としてくるでしょう。
それだけに、今回の2021年度の入試は改革が試されるということになっています。
これからも動向を見守っていこうと思います。
大学受験】共通テストのボーダーラインから見る出願戦略! まとめ
いかがでしたでしょうか?
共通テストに変わり、新入試制度が完成しつつある大学受験。これからもドンドン入試制度が変わっていくことでしょう。
この大学入試の変化が成功すれば、高校受験や中学受験、ましてや小学校の教育まで変化することが見えてきます。
未来を支える子どもたちへの教育が、より素晴らしく公平であるものになることを、心から願っています。
今回は大学入試システムということで解説をしてきました。これからも、より詳細な詳しい予備校らしい情報をお届けします。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました!他にも色々な大学受験の記事を書いていますので、リンク先の記事で興味があれば、ぜひご覧ください!